祈りの聖地こころの観音霊場・仁比山護国寺 地蔵院 住職の閑話

仁比山地蔵院 住職 角 玄妙

私がこの地蔵院に嫁いでもう四十有余年になります。娘たちが小学校1年と2年になった春、夫が亡くなり、私は、寺を出ようかどうしようかと途方にくれていました。

そんな時、一人のお遍路さまがいらして、「このお観音さまは子どもたちにひもじい思いを決してさせない仏さまです。」とおっしゃいました。

お遍路さまに言われたとおり毎日掃除をし、一生懸命お勤めをしていると、たくさんのお参りがあり、次第にその方々のお礼参りも増えてきました。私自身も、子どもたちも観音さまに救われたのです。

右も左も分からず仏門に入った私でしたが、お参りに来られた方々の願いが仏さまに届き、少しでも多くの悩みや苦しみがなくなるようにと、日々心を込めて念じております。

千手千眼観世音菩薩様はあの手この手を使い、我々の苦しみを除いてくださる仏さまです。

護国寺はその名のとおり、鎮護国家のために創建されたものではありますが、この地蔵院は御詠歌にあるように衆生すべてを護る寺であると思います。

いやしきも高きもいざやえらびなくただまことある 道まもるなり

我々は、仏様・ご先祖様に感謝して毎日を過ごすということが大切なのだと思います。 合掌


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